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2020.05.30
人の性格は幼くして決定する
フロイト心理学では、5~6歳くらいまでに基本的な人間の性格が決定するといわれている。私は、それは10歳頃までの幅があるのではないかと思っているが、要は人は思いのほか幼い時にその人格の形成がなされるということである。
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称ビリギャル 坪田信貴著)で有名になった心理学にエニアグラム(9タイプ別性格論)がある。巷の安っぽい性格占いではない。未だ狭い世界での評価しかないが、精緻な学際的研究が進められ、いまや心理学として確立された学問である。少なくともアドラー心理学より遥かに複雑で示唆に富んでいる。それによると、雑多に棲息する人間をその行動特徴から9タイプ(詳しくは18タイプ)に分類する。それらは幼児期における親兄弟等との関係性によって9タイプが形成されると説く。
研究者の一人、スタンフォード大学のドン・リチャード・リソ氏によると、親との関係性を次のように分析している。なお、最後の性格特徴ほか一部の説明については、私の分析によるものである。これらの内容は「不健全」の場合の特徴であり、「健全」な場合にはまったく違う善的特徴を示す。
(『人生は残酷である』序章 幼児期に性格が決定する!)
明日から、エニアグラムの9のタイプについての分析を掲載したい。
2020.05.29
生命が「生き延びる」という存在性
生命が生き延びるというその存在性には机上の論理を圧倒する現実が在る。生きるということの厳しさは筆舌に尽くし難いものがある。私は幼い時から、この種の自然界の弱肉強食の世界を見続けて生きてきた。そこには、生物の現場を通して人の生が重なり、生きるということの何がしかを教え込まれていったものである。すなわちその教えは、嘘を吐くな、正直であれ、真面目に生きろ!と同時に、現実は厳しいということでもあった。時には命を賭けた闘いがある。理想以上に、現実こそが真実として幼い私の心を捉えた。それは残酷なほどの生き様である。そしてそれが一つの価値観として私に定着したことを認めないわけにはいかない。
2020.05.28
美しい「地に足が着いた侘び」
では、「侘び然び」を最も実践し、日常の生活そのものにしている人たちは誰であろうか。それは昔ならばイタリア、アッシジの聖者フランチェスコとその仲間たちだった。彼らは禅よりも勝れた無一物を実践した。現代なら、アメリカのキリスト教復古主義のアーミッシュの人たちである。
2020.05.27
侘び然(さ)び幽玄は死を見据えた生き様に宿る
日本人への平等教育の洗脳が、わが国民を蝕み、いまや崩壊寸前である。「侘び然び」を我々が語る限りに於いて、この面構えは絶対に排除することが出来ない事であるのだ。以前の日本人の方が圧倒的に面構えが良かった。ハンサムでも長身でもなかったが、顔に皺の刻まれた男たちには魅力があった。女たちも大らかで、いま時の女たちと違い器が大きかった。温かかった。その一つ一つが「侘び然び」を成立させる条件であることを、いまや日本人は忘れてしまっている。
2020.05.26
俳優の面構えと侘び然び幽玄
筆者はヨーロッパとハリウッド映画を見て育った。そこには常に渋い男たちがいて、重厚で魅力的だった。その街並みにも魅了されたものだった。同時に多くの日本の時代劇も見たものだ。いまのチャチで威厳も何もなく情けないだけの大河ドラマと違って、当時のそれらには存在感があった。歴史や人の重みがあった。
2014年に83歳でこの世を去った高倉健氏が演じたのは、渋さであり、それは「侘び(わび)」ではなく「然び(さび)」だったのである