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2020.09.15
『タオと宇宙原理』〈22〉第一章 ダーウィンの直観とケルヴィンの数式
ところが、これに対し地球物理学の立場から激しく反論してきたのがケルヴィンであった。彼は地球の中心部から微量の熱が放射されていることを根拠に、地球は誕生時点の溶岩状から徐々に熱が放射冷却されて現代に到っており、その冷却に要する時間から割り出して地球の年齢を四千万年内とし、ダーウィンの非科学的な態度に対し、一八七三年には「我々はダーウィンの一語一句について、その無益さ、ばからしさを指摘できる」と述べている。その後、地球の年齢を更に短く二千四百万年と発表した。この態度にダーウィンは腹わたが煮えくり返り、友人のアルフレッド・ウォーレスに「不愉快極まりない」と語っている。
2020.09.14
『タオと宇宙原理』〈21〉第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説
◆ダーウィンの直観とケルヴィンの数式
直観と科学的計算のどちらが正しいかの逸話を紹介しよう。進化論のダーウィンと物理学者ケルヴィンが対立した地球の年齢問題でのことである。ケルヴィンより十五歳年上のダーウィンはビーグル号で世界を旅し、ガラパゴス諸島において鳥のガラパゴスフィンチやゾウガメが島ごとにその形を変えていることに着目し、その調査結果から進化論を提唱した。現在もなお、その基本概念を基に生物学が研究されていることは我々の知るところである。
2020.09.13
『タオと宇宙原理』〈20〉第一章 思考優位型の傾向と過(あやま)ち
彼らのような思考優位型の特徴として他者との協調性の欠如が挙げられる。また、情報を自分一人のものとして他者へ譲り渡すことを頑なに拒む無意識が内在する。それは、自己保全の為の自己同一を強化する手段として用いられる。だが、本人がそのことに気付いてそうしているわけではない。彼らはそうするしか自己を保持することが出来ないのである。その結果、自己過信となり成功者タイプは一層の傲慢性を発揮し一切の価値を単なる知識に依存し、それをもって全てとして物事を判断して、自己の見解に固執しそれに反する者を糾弾する。決して冷静に論証するのではなく、激烈に感情的となり反対の為の反対に陥るのである。
2020.09.12
『タオと宇宙原理』〈19〉第一章 思考優位型の攻撃性
それともう一つ重要な観点がある。この種の思考優位型の人に共通するものとして他者の心が理解できないというのがある。それ故、他者の言動や感情表現を単純な一つ一つの文字に置き換え、数値化することで他者を理解できると考えるのであるが、明らかにそこには実態との乖離(かいり)が生じることは否めない。彼らには他者を直截(ちょくさい)に感受し理解する能力が著しく劣っている傾向にある。残念ながらそのことを彼ら自身は理解していない。それをカバーするために、彼らは言語化と数値化を試みる。ところが、結果的にそれは研究成果として評価されることとなり遂に学問として成立することになる。何とも皮肉だが、かくして彼らは権威を身に付けることが出来るのであるが、だが、決して原点の感受性の劣性が改善したことを意味するのではないし、数値によって保証されたのでもない。
(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 思考優位型の攻撃性)
2020.09.11
『タオと宇宙原理』〈18〉第一章 思考優位型の攻撃性
その結果、自己過信となり成功者タイプは一層の傲慢性を発揮し一切の価値を単なる知識に依存し、それをもって全てとして物事を判断して、自己の見解に固執しそれに反する者を糾弾する。決して冷静に論証するのではなく、激烈に感情的となり反対の為の反対に陥るのである。
それは、直観的に理解する能力に於いて劣っていることを知られないためでもある。こう述べるとそもそも直観なるものが信用できないとの反論がある。その通りである。物理学者の仮説同様にその大半は誤りである。しかし、最後の正しい解もこの直観が導くことは誰もが認めるところだ。また戦地などの死地に於いて、日頃から直観に優れた決断力のある指揮官が、理詰めだけで考えている指令官よりもよい結果、すなわち部下を救い出した例の方を多く耳にするが如きである。歴史の英雄とは実にこの直観力に優れた者であった。この思考優位型人間の弱点を認識した上で、このことは考える必要がある。
(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 思考優位型の攻撃性)