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2020.10.20

『タオと宇宙原理』〈57〉第一章 量子仮説の大発見

 なお、既述の通りプランクの発見から五年後、アインシュタインによって「量子仮説」に修正が加えられている。すなわち、エネルギーには量子はなく「光エネルギー」に「光量子(光子)」が存在するとし、光量子の集団が波の形で伝わるのだと発表した。これがかの有名な光は粒子であると同時に波である、という定理である。これを「光量子仮説」という。これによりアインシュタインはノーベル賞を授与されている。これも後にボーアから修正されることになる。しかし、プランクの計算式は完璧だった。

 プランクやアインシュタインの量子論を更に進めたのがニールス・ボーアで、電子にも粒子の性質があることを発見した。一九一〇年代である。これはアインシュタインの光子は粒子であるという説からのヒントによるものであった。それに影響を受けたルイ・ド・ブロイが「物質粒子の量子論」を、更にそれに影響を受けたエルヴィン・シュレーディンガーが「波動力学」を完成させるに到っている。

2020.10.19

『タオと宇宙原理』〈56〉第一章 量子仮説の大発見

 一九一三年、五十五歳の時、プランクはベルリン大学の学長に就任した。

 就任するとすぐにアインシュタインを教授に迎え入れた。プランクは彼の才能を以前から高く評価していたからである。アインシュタインはプランクの助手を務めていたリーゼ・マイトナーに「あなたが羨ましい」と言った程にプランクの実力を認め尊敬していた。

2020.10.18

『タオと宇宙原理』〈55〉第一章 量子仮説の大発見

 hνこれをプランクの「量子仮説」という。すなわち飛び飛びのエネルギーの間隔はhνであり、hνという「エネルギーの塊」を単位としてエネルギーの受け渡しが行なわれるとしたのである。この「エネルギーの塊」を「量子」と名付け、ここから量子力学が誕生することになった。量子力学とは飛び飛びのエネルギーの塊を研究する学問ということになる。これは光のエネルギーを粒子の集まりと捉えたもので物理学にとって時代を画す大発見であった。電気のもとである電子も同様の原理であることが後に発見され、現代エレクトロニクスを支える基盤となっている。コンピュータ等多くの場面でこの発見が用いられており、いまやこれなくして社会は成立しない。未来を築く量子コンピュータは将にプランクのこの大発見が礎となったのである。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 量子仮説の大発見)

2020.10.17

『タオと宇宙原理』〈54〉第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説

◆量子仮説の大発見

 そして、プランクは自らが生み出した式のもつ意味を更に徹底的に考えぬき、一つの仮説を導き出したのである。それは光のエネルギーには最小単位が存在し、整数倍に不連続な飛び飛びの値を持つ、というものだった。

2020.10.16

『タオと宇宙原理』〈53〉第一章 マックス・プランクの功績

 黒体とは光の色と温度の関係を調べる黒い箱である。この箱に熱を加えると内部で光が放射と吸収を繰り返す。この光のスペクトルを温度ごとに調べていけば、ある温度でどんな振動数の光がどれだけの強さで含まれているかがわかる。

 プランクは、放射される光について説明の出来る公式を追い求めた。理論を考えては実験結果と照合し、合わなければ再び理論を組み立て直す。こうした試行錯誤を繰り返した結果、やがてプランクは一つの実験式に辿り着いた。 これがその実験式 E=hν である。