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2020.11.13
老子とタオ〈10〉
老子『清浄経』第2章を引き続き紹介します。
【第三章 太 極 品】
降本流末 而(じ)生万物
太極の本降りて陰陽は分枝し、一切の動静清濁の真理は全て本(もと)から末へ、上から下へと流れ、ついに万物を生ずるのである。陰の中に陽を有し、陽の中に陰を有し、陰陽相交感して次々と万象が営まれていくのである。無極一動して太極が生まれ、太極一動して万物の生育、運行、長養の本体として週流する。物人各に理を宿し、それは陰陽の間に在る。
(『タオと宇宙原理』第七章 老子とタオ)
2020.11.11
老子とタオ〈9〉
老子『清浄経』第3章を紹介します。
【第三章 太 極 品】
男清女濁 男動女静
陽は清にして男であり、陰は濁にして女である。陽は動であり陰は静である。男は乾道に秉(よ)って体を成したから清であり動である。女は坤道に秉(よ)って体を成したから濁であり静である。男は十六で清陽が足り、女は十四で濁陰が降る。清陽が足るとは淫念の根の生ずるを意味し、濁陰が降るとは雑念の本に支配されることを指す。仙道にあっては降龍伏虎なる術をもってこれに当たり根治する。
(『タオと宇宙原理』第七章 老子とタオ)
2020.11.09
老子とタオ〈8〉
老子『清浄経』第2章を引き続き紹介します。
陰陽の太気が作動せし清濁動静は、将に天地の母であり、人に在っては聖人と凡人の隔りとなって現われる。聖なるは濁陰の気を下降させ、清陽の気を上昇させることで、常に清静が得られるところに依る。
(『タオと宇宙原理』第七章 老子とタオ)
2020.11.07
老子とタオ〈7〉
老子『清浄経』第2章を引き続き紹介します。
【第二章 皇 極 品】
有清有濁 有動有静 天清地濁 天動地静
この「道」には清気がありまた濁気がある。清気は軽くして天となり濁気は重くして地と変ず。更に乾気が一動して天動となり、坤気が一静して地静となる。
(『タオと宇宙原理』第七章 老子とタオ)
2020.11.05
老子とタオ〈6〉
老子『清浄経』第2章を引き続き紹介します。
【第二章 皇 極 品】
吾不知其(き)名 強名曰道 夫道者
この形もなく姿も見えない玄妙不可思議なる存在の名前は、さすがの老子といえども知らない。そこで後世に謬(あやま)った解釈がなされてはならないとして、その理を最も蔵め不易の真理を包羅する定めの名を「道」と名づけたのである。
「道」は陰陽の太気を一なる無極の上(うち)に収めて、自らの内を綿々と巡り往(ゆ)く止(とど)まることなき存在である。森羅万象悉くを生育し、運行し、長養するところの五官では捉え難き実在である。
(『タオと宇宙原理』第七章 老子のタオ 老子の世界)