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2021.06.14

老子とタオ〈29〉

老子『清浄経』第21章を紹介します。

【第二十一章 貪 求 品】

既着万物 既生貪求

人というのは一度万物に執著しはじめると、それに牽かれて次から次と貪求(どんきゅう)を生ずるのである。理性では徳行の大事さを知りつつもそれ以上の欲求に支配され、寝食をも忘れるほどに万物に恋恋として離れることがない。実に哀れなるも、決してそれから脱却しようという気にはならないのが凡夫の性である。貪求は後生に次々と禍いを招くことになる。

(『タオと宇宙原理』第七章 老子とタオ)