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2020.09.25

『タオと宇宙原理』〈32〉第一章 世界で初めて地球の大きさを測ったエラトステネス

 彼(エラトステネス)は素数算定法の「エラトステネスの篩(ふるい)」を考え出した天才だった。更に地理学と地図作成に数学を使用した最初の科学者で『地球の測定について』の著書の中で地球の円周を計算して当時としてはきわめて正確な距離を導き出した偉大な人物である。

 その計測法は次のようなものである。

 当時、彼は地中海に面したナイル川河口に発展したアレクサンドリアの都市に住んでいたのだが、毎年夏至の日の正午に南に位置するシエネ(現在のアスワン)の町では、井戸の底まで太陽の光が差し込み影が出来ないことが知られていた。

 偶然にもこの町は、ちょうど北回帰線上に位置していたため夏至の日には太陽が真上を通ることから、正午には太陽の角度は九〇度となり、深い井戸の底の水面に太陽が映っていたのである。シエネまでの距離はおおよそ五〇〇〇スタジア(九二五㎞)。そこでエラトステネスは同じ正午にアレクサンドリアでの太陽の角度を正確に測るため、高い棒を立てて、その影の長さから太陽の角度を測ると、八二・八度でシエネより七・二度のずれがあることが判明した。

 これは、地球が丸いことを同時に意味していたのだが、ギリシャ人はそのことをすでに紀元前六世紀頃から知っておりエラトステネスはそれを実感として確認することになった。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 世界で初めて地球の大きさを測ったエラトステネス)