BLOG
2020.09.16
『タオと宇宙原理』〈23〉第一章 ダーウィンの直観とケルヴィンの数式
この例からも分かるように、優れた直観というものがある。物理学の大発見も、そのほとんど全てがこの直観によるものであることを忘れてはならない。そしてまた、このケルヴィンのように発展途上の科学理論に立脚し、それを絶対とすることの誤りを科学者は学ぶ必要がある。そしてまた、権威者の理論を訂正したのも科学であったことも忘れてはならない。その意味で科学は偉大なのである。しかし科学者は、ケルヴィンの轍(てつ)を踏んではならないのだ。
余談だが、ラザフォードは、物理学者のキュリー夫妻がウランが自然に鉛に変化することを発見したのに基づき、岩石中の鉛の量を調べることで岩石の年齢を出すことに成功した。計算では、岩石中のウランの五〇%が四十六億年かかって鉛になるという。これを「ウランの半減期」という。同時期、B・B・ボルトウッドの計算で太陽系の隕石が調べられ、四十六億年という数字を得て、現在それが地球の年齢の定説となっている。
(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 ダーウィンの直観とケルヴィンの数式)