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2020.05.17
最新刊『タオと宇宙原理』序章その3
引き続き、現在、執筆中の最新刊『タオと宇宙原理』の序章「夢は現実か 現実は夢か」をご紹介する。
◆序章 ― この世は存在しない!
夢は現実か 現実は夢か
二〇一九年の春四月、思いもよらない不可思議な体験をさせられることになった。筆者は毎朝、夢日誌を付けているのだが、この日だけは特別だった。いつものことながら夢の中では客体としての自己を見続ける習慣がありいつも通りに展開していたのだが、途中で、いつもなら夢と認識しているはずの夢の中が、夢ではないことに気付いたのである。夢には奇想天外といったいくつかの特徴がある。大きく言えば現実との違和感がある。だからいつもはそれが夢であることを認識しながら夢を見続け、嫌な展開になるとそこから抜け出すことにしているのである。要するに目覚めることが大半だが、場合によっては違うイメージへとワープしてしまう事もある。そういう意味において著者はかなり夢をコントロールできるという事になる。だからと言って見たい夢を観ようとは思わない。自身の深層意識を分析する目的が大きいことと、深層意識による何らかの示唆を尊重しているからである。
そんなある日の夢である。著者はいつものように夢の中でヴァーチャルリアリティを体験し続けていた。しかしそれはどこまでもヴァーチャルであり、夢であることを認識している。ところがその日の夢にはいつものヴァーチャル感がなく、一切の違和感が有されていなかったのである。その時、夢の中の著者は「そんなはずはない、これは夢のはずである、現実であるわけがない…」と戸惑い困惑していた。夢だったはずのヴァーチャルがいつの間にか現実に引き戻されていたからである。「そんなはずがない!」私は首をかしげていた。しかし、これは紛れもない現実であった。そこで、ここが果たして本物の現実世界であるのか、はたまた夢の中であるのか、意識を〈いま〉に集中し、あらゆる現実の感覚を呼び覚まして〈いま〉を感じ体験した。
どう見ても、微塵の疑いもなく現実の今に私は存在していることを確認した。今のこの瞬間と全く同じ世界であった。(つづく)